The Pacific

メイキングを含め、全部見終わりました。計11時間。


感想は・・・・「何だかな〜」という感じです。
そりゃ「日本人目線」で見るんですから、他人事とも言えない訳であって、
正直、ちょっと残念な作品ではあります。


アメリカ主体の映画なのだから当然といえば当然ですが、(特にペリリュー
に入るまでは)日本兵には、銃剣突撃したところを一斉掃射でなぎ倒される
シーンや虐殺されるシーンしかないと言ってよいほど見せ場がなく、劇中の
日本人に対する扱いもかなり差別的。硫黄島2部作を見た後だと、どうにも
やるせない思いになります。


米兵の日本兵に対する残虐行為も描かれているので、連合国=善 枢軸国=悪
という図式を完全になぞった作品とは言えませんが、そもそも殺し合いに
善も悪もないでしょう(これも戦後日本の倫理に則った考え方ではありますが)。


どこからどこまでが真実なのかは、そのときその場にいた人にしかわかり
得ませんが、ガダルカナルでは助けに来た米兵を手榴弾に巻き込んで自爆
(敢えて玉砕とは言わないでおきます)したり、沖縄戦では民間人を盾に
して突入したり、日本人が完全に「悪者」としての印象付けを前提にした
描かれ方をしているため、「アメリカ主義的」に作られた作品であることは
事実。人によってはかなりの嫌悪感を覚えるでしょう。


戦後、我々日本人は「戦時中、日本人は世界に対して悪いことをした」と
教えられてきましたし、それは事実でしょう。しかし、繰り返しになりますが、
戦争に善も悪もないわけで、どこの国もえげつないことをしている筈です。


平和すぎる平和国家、今の日本に生きられることは、あり得ないほど
幸せなことなのだと思います。普通に働けて、普通に遊べて、普通に食事が
できる今日に、仲間同士で、職場で、家族で、笑い合える今日に感謝です。